どうも、Kazuです。
伝統工芸のEC(ネット販売)をやっている方からの依頼です。
日本の伝統産業を現代の暮らしに合う形で再編集して、
オンラインで販売している。
Makuake(クラウドファンディング)でコーヒー急須を出して、支援を集めた実績がある。
商品力は証明済み。
でも「その先」がなかった。
今回の公開実演企画 第6弾は、そういう話です。
※ 第3弾はAさん(金融教育・投資相談業)の案件でしたが、調査内容に金融業界の規制やリスク分析が含まれるため、コミュニティ限定の公開としています。ブログでの公開は第2弾(民泊・レンタルスペース)に続き、第4弾から順次公開しています。
Rさんの状況
Rさんは伝統工芸のEC(ネット販売)事業を営んでいる方です。
日本の伝統産業を現代の暮らしに合う形で再編集した商品を企画・販売している。
Makuake(クラウドファンディング)でコーヒー急須を出品して、支援を集めた実績がある。
つまり「市場が欲しいと答えた」証拠がすでにある。
商品力は証明済みでした。
目指しているのは「中川政七商店のような世界観のあるブランド」。
ただ、そこに至るまでの道筋が整理しきれていなかった。
Makuake(クラファン)で支援を集めた。
でもその後、支援者との関係が切れている。
一般販売への移行計画がない。
チャネルの使い分けも整理されていない。
「商品はある。でも届ける仕組みがない」
これがRさんの依頼の本質でした。
14名のAIエージェントチームが動いた
僕はRさんの依頼に対して、14名のAIエージェントチームを編成しました。
5つのフェーズに分けて実行しています。
フェーズ1(4名)— 市場調査・競合分析
伝統工芸EC市場の全体構造を調査する担当。
成功ブランド5社の戦略を分解する担当。
CF(クラウドファンディング)から一般販売への転換パターンを分析する担当。
コーヒー急須カテゴリの競合ポジションを分析する担当。
4名が、市場と競合の全体像を同時に調べます。
フェーズ2(3名)— ブランド設計
ブランドコンセプトの設計担当。
ターゲットペルソナ(理想的な顧客像)と購買ジャーニー(購入までの行動経路)の分析担当。
商品ラインの構想マップ担当。
「ブランドとは何か」を具体的に定義します。
フェーズ3(3名)— 販売戦略
コーヒー急須の一般販売移行計画担当。
7つの販売チャネルの役割分担設計担当。
SNS(交流型メディア)・コンテンツ集客の戦略担当。
「売る順番」と「届ける設計」をつくります。
フェーズ4(2名)— 収益・実行設計
価格戦略と収益シミュレーション担当。
6ヶ月の実行ロードマップ担当。
戦略を数字と日程に変換します。
フェーズ5(2名)— 戦略統合
全14名の成果物を統合して、矛盾や抜け漏れを修正。
総合戦略レポートとして1本にまとめて納品。
見つかった核心的な問題
チームが最初に見つけたのは、3つの構造的な問題でした。
問題①:「職人が作った」では差別化にならない
Rさんは「職人が作った」「日本製」「伝統工芸」を軸に発信していた。
これ自体は間違っていない。
ただ、伝統工芸EC市場を調べると、
まったく同じ訴求をしている事業者が大量にいる。
「職人が作った」は差別化にならない。
必要なのは「この職人が」「この産地で」「なぜこの形なのか」。
抽象を固有に変えること。
「伝統工芸」という主語は大きすぎる。
「常滑の職人が、コーヒーのために焼成温度を変えた急須」
ここまで絞って初めて人は反応する。
問題②:Makuake支援者との関係が切れている
Makuake(クラファン)で支援を集めた後、
支援者との関係がそこで終わっていた。
Makuakeは「発見の場」であって「関係を育てる場」ではない。
支援者リストは、広告では手に入らない資産です。
「応援した」という心理的なつながりがある。
その資産が、活用されずに眠っていた。
問題③:7チャネルの使い分けが整理されていない
CF(クラファン)・BASE(ネットショップ)・Amazon・自社EC・
SNS(交流型メディア)・LINE(メッセージアプリ)・メルマガ。
Rさんは7つのチャネルを候補として挙げていた。
ただし「どの順番で」「何の役割で」使うかが整理されていなかった。
全部を同時に立ち上げようとする
これが「全チャネル同時立ち上げ罠」です。
チームが出した3つの答え
答え①:CF(クラファン)から一般販売への「橋」を設計した
Makuake支援者への御礼メール。
そこからLINE(メッセージアプリ)への登録誘導。
LINE登録後の自動配信3ステップ。
BASE(ネットショップ)の立ち上げ。
そして自社EC(独自ネットショップ)への移行。
この段階的な移行計画を作りました。
御礼メールの雛形、
LINE登録後の自動配信シナリオ、
商品同梱QRカードの設計まで全部入り。
「CF→ECの橋渡し」は
伝統工芸ECで最も落ちやすいポイントです。
ここを埋めるだけで売上の連続性が変わる。
答え②:ブランドの世界観を「憲法」にした
Rさんのブランドの核心は「守る」ではなく「使う」。
伝統工芸を博物館に入れるのではなく、
毎朝のコーヒーの中に入り込ませる。
ブランドコンセプト設計書では、
「やること・やらないこと」の境界線、
5つのブランド人格、
ポジショニングの位置づけまで定義しました。
商品ページを書くとき。
SNS(交流型メディア)の投稿を考えるとき。
新しい商品を選ぶとき。
「これはブランドに合っているか」を判断する基準ができた。
世界観というのは、最初から語るものではない。
「何を選んで・何を選ばないか」の積み重ねの結果として滲み出るもの。
その判断基準が、これまでなかった。
答え③:7つの販売チャネルに「役割」をつけた
全部を同時に立ち上げる代わりに、
立ち上げ順序と役割を分離しました。
Makuake=新商品の市場検証場。
BASE(ネットショップ)=初期の販売拠点。
Amazon=検索流入の獲得。
自社EC(独自ネットショップ)=月商安定後に移行。
Instagram(写真SNS)=世界観の発信基地。
LINE(メッセージアプリ)=購買意欲の高いファンリスト。
メルマガ=深い読者との関係構築。
7チャネルが1本の動線として機能する設計図を作りました。
そしてもうひとつ、面白いことがわかった。
「高価格帯×急須形状×コーヒー専用×明確なブランドストーリー」
この象限に、競合がほぼいない。
Rさんは知らないうちに先行者ポジションを取っていた。
あとはそれを正しく言語化して、正しい順番で届けるだけです。
納品物は13点。全部公開しています。
今回の納品物を紹介します。
全資料はGoogle Driveで公開しているので、中身も見られます。
【Phase 1】市場調査・競合分析(4点)
01. 伝統工芸EC市場マップ
伝統工芸×ECの市場全体像。どの価格帯にどんなプレイヤーがいるか、成長しているカテゴリはどこかを俯瞰しています。
02. 成功ブランド5社 戦略分解レポート
中川政七商店をはじめとする成功ブランド5社の戦略を分解。ブランド構築・チャネル設計・価格戦略の具体的な成功パターンを抽出しました。
03. CF→一般販売 転換パターン分析 ⭐
Makuake(クラファン)で成功した後、一般販売への移行に成功した事業者と失敗した事業者を分析。成功パターンの共通要素を特定しています。
04. コーヒー急須カテゴリ 競合分析
「高価格帯×急須形状×コーヒー専用×ブランドストーリー」の空白地帯を発見。Rさんの先行者ポジションを確認した根拠資料です。
【Phase 2】ブランド設計(3点)
05. ブランドコンセプト設計書 ⭐
「やること・やらないこと」の境界線、5つのブランド人格、ポジショニング定義を含むブランドの「憲法」。商品選定・発信・デザインすべての判断基準になります。
06. ターゲットペルソナ×購買ジャーニー分析
理想的な顧客像の定義と、その人が「知る→興味を持つ→比較する→購入する→リピートする」までの行動経路を設計。
07. 商品ライン構想マップ
コーヒー急須を軸にした商品展開の全体構想。入口商品・主力商品・上位商品のライン設計です。
【Phase 3】販売戦略(3点)
08. コーヒー急須 一般販売移行計画書
Makuake支援者への御礼メール → LINE誘導 → BASE(ネットショップ)立ち上げ → 自社EC移行の段階的移行計画。御礼メール雛形・自動配信シナリオ・同梱QRカードの設計つき。
09. 7チャネル役割分担設計書 ⭐
Makuake・BASE・Amazon・自社EC・Instagram(写真SNS)・LINE(メッセージアプリ)・メルマガの7チャネルに「役割」と「立ち上げ順序」を定義。1本の動線として機能する設計図です。
10. SNS・コンテンツ集客戦略
Instagram(写真SNS)を中心としたブランドの世界観発信と集客の設計。投稿テーマ・頻度・ハッシュタグ戦略を含みます。
【Phase 4】収益・実行設計(2点)
11. 価格戦略・収益シミュレーション
コーヒー急須の価格設定根拠、原価率、月次売上シミュレーション。6ヶ月・12ヶ月の収益見通しを数字で提示しています。
12. 6ヶ月実行ロードマップ
M1(今月)からM6(6ヶ月後)まで、月ごとに「やること」を明確に定義。優先順位と所要時間の目安つきです。
【Phase 5】戦略統合(1点)
13. 総合戦略レポート
全14名の成果を統合した最終戦略書。市場分析の結論、ブランド設計の方向性、チャネル戦略、収益計画を1本にまとめています。
これを外注で揃えたら、どうなるか
考えてみてください。
伝統工芸EC市場の調査をリサーチ会社に頼んだら、数週間。
ブランドコンセプトの設計をブランディング会社に依頼したら、1〜2ヶ月。
販売チャネルの戦略設計をECコンサルに出したら、数週間。
収益シミュレーションを経営コンサルに依頼したら、2〜4週間。
6ヶ月のロードマップを事業計画として作ったら、さらに1ヶ月。
合計すると、3〜5ヶ月。
費用もそれぞれ数万〜数十万の積み上げになります。
エージェントチームは、これを数時間で仕上げました。
13点。ブランド設計つき。チャネル動線設計つき。
納品後、Rさんがやること
ここから先は、Rさん自身の手に委ねます。
最初にやることは5つだけ。
① 総合戦略レポートをAIに読み込ませる
13点の中身を全部把握する必要はない。まず総合戦略レポート1本を読み込ませて、全体像を掴む。そこから個別の設計書に入る。
② 6ヶ月ロードマップの「M1(今月)」から着手する
6ヶ月分の計画がある。でも見るのは今月だけ。M1の項目をひとつずつ進めるだけで十分です。
③ Makuake支援者への御礼メール+LINE誘導を今週中に
御礼メールの雛形はもう完成している。宛先リストを用意して送るだけ。眠っている支援者資産を動かす最初の一手です。
④ Instagramの週3投稿体制を固定する
ブランド設計書の世界観に沿って、週3本。テーマと曜日を決めたら、あとは続けるだけ。
⑤ 商品ページに固有名詞を入れる
「職人が作った」ではなく「常滑の〇〇さんが作った」。産地・素材・焼成の理由を具体的に入れる。これだけで反応が変わります。
業界が変わっても、見つかるのは構造問題
第1弾は占い業のHさん。9点納品。
第2弾は民泊・レンタルスペースのOさん。12点納品。
第3弾は金融教育のAさん。20点納品(コミュニティ限定公開)。
第4弾はコンテンツ販売のSさん。16点納品。
第5弾は障害福祉のKさん。17点納品。
第6弾は伝統工芸ECのRさん。13点納品。
業界はまったく違います。
でも、チームがやったことの構造は同じでした。
市場を調べる。
競合のポジションを把握する。
ブランドを定義する。
チャネルを設計する。
実行計画に落とす。
ただ、業界ごとに「見つかる問題」が違う。
占い業では「集客動線の不在」。
民泊では「月94時間の手作業」。
金融教育では「規制リスク」。
コンテンツ販売では「戦う場所そのものが間違っている」。
障害福祉では「記録業務が職員を潰す構造」。
伝統工芸ECでは「商品は証明済みなのに、届ける設計がなかった」。
これは、外からチームで入らないと見えません。
当事者は毎日やっているから、構造的な問題に気づけない。
あなたの業種でも、同じことができます。
📚 公開実演 全10弾の総まとめはこちら
業界が変わっても、本質は同じ。
AIエージェントチームが10業種で見つけた「構造問題」マップ
占い・民泊・金融・コンテンツ販売・障害福祉・伝統工芸・楽天・Amazon・eBayの10業種・170点超の納品物から見えた、業界を超えた共通する3つの構造問題をマップで全公開しています。
追伸
今回の案件で一番印象に残ったことがあります。
Rさんが目指していたのは「中川政七商店のようなブランド」でした。
伝統工芸を現代の暮らしに溶け込ませる、世界観のある存在。
でもチームが見つけたのは、
世界観を語る前にやるべきことでした。
支援者との関係を繋ぎ直す。
チャネルに役割をつける。
「やること・やらないこと」の基準を決める。
世界観というのは、宣言するものではない。
選択の積み重ねの結果として、にじみ出てくるもの。
その「選択の基準」が、今回の設計書です。
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中身は4点セットです。
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