どうも、Kazuです。
AIに広告データや売上データを見せる人が増えてきました。
広告レポートを見せる。
売上表を見せる。
在庫表を見せる。
アクセス数を見せる。
注文履歴を見せる。
すると、AIはかなり細かく分析してくれます。
この広告は悪い。
この商品は伸ばせそう。
このキーワードは止めた方がいい。
この数字は改善余地がある。
ここまで出ると、便利です。
ただ、実際に見ていると、たまにズレます。
AIの分析だけ見ると正しそうなのに、現場感覚では違う。
数字だけ見れば止めるべきに見えるけど、実は止めてはいけない。
逆に、数字だけ見れば良さそうに見えるけど、実は伸ばすと危ない。
こういうことがあります。
で、この時にすぐこう思う人がいます。
「やっぱりAIの分析は当てにならない」
でも、僕は少し違うと思っています。
AIが悪いというより、AIに見せる前提情報が足りていないことが多いです。
AIは、数字の外側にある事情までは勝手に読めない
たとえば、ECモールの広告をAIに見せたとします。
広告費。
クリック数。
注文数。
売上。
広告費率。
数字だけなら、AIは見られます。
でも、そのキャンペーンの中に、複数の商品が混ざっていたらどうでしょうか。
A商品は売れている。
B商品は売れていない。
ただし、広告レポート上では同じキャンペーンにまとまっている。
この前提を伝えずにAIへ見せると、AIはキャンペーン全体をまとめて判断します。
すると、こういうズレが起きます。
前提不足で起きるズレ
本当はA商品だけ伸ばすべきなのに、キャンペーン全体を止める提案になる。
本当はB商品だけ切るべきなのに、広告全体が悪いと判断される。
本当は商品ごとに見たいのに、平均値で判断される。
これはAIの性能が低いという話ではありません。
AIから見ると、渡された数字の中に「A商品とB商品が混ざっている」という事情がないだけです。
人間は知っている。
でも、AIには渡していない。
この差で、分析は普通にズレます。
数字だけ渡すと、AIは平均で判断する
AIは、渡された情報の中で考えます。
数字だけ渡せば、数字から判断します。
でも、事業は数字だけでは見えません。
利益率が違う。
在庫状況が違う。
今月だけセール中。
外注さんが運用している。
一時的に広告を強めている。
レビュー集めのために赤字でも回している。
売上より在庫処分を優先している。
この商品だけはブランド上残したい。
こういう事情は、表の数字だけでは見えにくいです。
だから、AIが平均値で判断します。
平均で見ると悪い。
でも、分解すると残すべきところがある。
平均で見ると良い。
でも、分解すると危ないところがある。
ここを分けられるかどうかで、AIの分析精度はかなり変わります。
AIに必要なのは、きれいなデータだけではなく、商売の事情です。
分析前に渡すべき前提は、だいたい7つある
では、AIに広告や売上を分析してもらう前に、何を渡せばいいのか。
まずは、この7つで十分です。
AIに渡す前提メモ
1. そのデータが何の数字なのか
2. 商品やサービスが混ざっていないか
3. 利益率・原価・手残りの違い
4. 在庫や納期など、今すぐ売れるかどうか
5. セール・季節要因・一時的な事情
6. 誰が運用しているか、自分で動かせるか
7. 今月の優先順位と、やりたくないこと
この7つを入れるだけで、AIの見方は変わります。
たとえば広告を見るなら、こうです。
広告分析前に渡す例
この広告レポートには、A商品とB商品が混ざっています。
A商品は利益率が高く、在庫もあります。
B商品は利益率が低く、在庫も少ないです。
今月は売上よりも利益と在庫整理を優先したいです。
広告費はこれ以上増やせません。
まず止める候補、残す候補、分けて運用すべき候補を出してください。
これなら、AIはかなり現実に近い分析をしやすくなります。
ただ「広告を分析してください」と言うより、何倍も使いやすい答えになります。
AIの答えは、正解ではなく仮説として見る
ここで大事なのは、AIの答えをそのまま正解にしないことです。
AIは、判断材料を整理するのは得意です。
見落としを出すのも得意です。
複数の数字を並べて、危ないところを見つけるのも得意です。
でも、最後の判断は人間です。
広告を止める。
商品を伸ばす。
在庫を処分する。
外注さんに依頼する。
お客さんに案内する。
ここは、事業者が決めるところです。
なので、AIにこう聞くといいです。
分析後に聞く質問
この分析で、前提不足の可能性がある部分を教えてください。
この判断をする前に、人間が確認すべき情報を5つ出してください。
すぐ止めるもの、様子を見るもの、分解して再分析するものに分けてください。
これを挟むだけで、AIの分析を盲信しにくくなります。
AIを先生にするというより、優秀な下調べ係にする感覚です。
前提メモを残すと、次の分析がどんどん良くなる
毎回、その場でAIに説明するのは面倒です。
だから、前提メモを残しておきます。
商品ごとの利益率。
広告の見方。
在庫の事情。
外注さんとの役割分担。
今月の優先順位。
過去に失敗した判断。
自分が大事にしている基準。
こういうものを、AIが必要なときに読める場所に置いておく。
これが、僕がよく言っている記憶保管庫の考え方です。
AIに毎回ゼロから説明するのではなく、事業の前提をためておく。
そして、分析するときに読ませる。
これだけで、AIの答えは変わります。
AIを賢く使うとは、毎回すごい質問をすることではありません。AIが迷わない前提を残しておくことです。
そのまま使える、前提メモテンプレート
最後に、すぐ使える形にしておきます。
広告でも、売上でも、在庫でも、AIに分析させる前にこの形で渡してみてください。
AI分析前の前提メモテンプレート
これから渡すデータを分析してください。
ただし、先に以下の前提を踏まえてください。
1. このデータの目的:
2. 見てほしい期間:
3. 混ざっている商品・サービス:
4. 利益率や原価の違い:
5. 在庫・納期・人手の制約:
6. 今月の優先順位:
7. やりたくない施策:
8. 人間が最終確認すべきポイント:
9. 出してほしい答えの形式:
この前提をもとに、
すぐ止める候補、様子を見る候補、追加確認が必要な候補に分けてください。
これだけでも、かなり変わります。
AIにデータを渡す。
AIに前提を渡す。
AIに確認ポイントを出させる。
最後は人間が決める。
この順番です。
AIの分析がズレた時、すぐに「AIは使えない」と判断するのは少し早いです。
まず見るべきは、AIの性能ではありません。
自分が、判断に必要な前提を渡していたか。
ここです。
数字だけでは、事業は見えません。
前提まで渡して、初めてAIは現場に近づきます。
AIに事業を見せる入口を用意しています
AIを学ぶことは大事です。
でも、学んだだけで事業が変わるわけではありません。
事業の数字を見せる。
作業ログを見せる。
過去の判断を見せる。
今止まっている業務を見せる。
そして、そこから次の行動に落とす。
この考え方を、無料動画にまとめています。
AIの使い方を増やす前に、自分の事業をどうAIに見せるか。
まずはここから整理してみてください。
AIを覚えるだけで止まるのではなく、自分のデータを見せて、次の行動まで落とす。
ここから、AI活用は現場に入っていきます。


