どうも、Kazuです。
最近、専門家の方のAI活用を見ていて、かなり大事だなと思うことがあります。
知識はある。
経験もある。
過去の資料もある。
本や講座、セミナーで話してきた内容もある。
それなのに、発信になると伝わらない。
ブログを書いても、反応が薄い。
SNSに投稿しても、読まれている感じがしない。
説明すればするほど、相手の顔が少し曇る。
これ、知識が足りないからではありません。
専門家の言葉のまま出しているから、読者の入口とズレていることが多いです。
AIを使うときも同じです。
AIに資料を入れる。
過去記事を入れる。
本の原稿を入れる。
YouTubeやセミナーの文字起こしを入れる。
もちろん、それは大事です。
でも、ただ知識を増やすだけでは、まだ足りません。
AIにやらせるべきなのは、専門知識の追加ではなく、読者の悩みの言葉への翻訳です。
専門家は、正しい言葉を使ってしまう
専門家ほど、正しい言葉を使います。
それは悪いことではありません。
むしろ、専門家としては当然です。
正確な用語。
正しい分類。
学術的な背景。
業界で使われる表現。
専門家同士ならすぐに通じる前提。
ただ、読者はその言葉で悩んでいないことが多いです。
読者が持っているのは、専門用語ではありません。
なんとなく不安。
何から始めればいいか分からない。
自分の場合はどうなのか知りたい。
いろいろ調べたけど、結局どうすればいいのか分からない。
こういう言葉です。
つまり、専門家は「正しい言葉」で話している。
でも、読者は「悩みの言葉」で探している。
ここにズレがあります。
正しいことを言っているのに伝わらない原因は、ここにあります。
AIに知識を入れすぎると、逆に濁ることがある
AIを使い始めると、多くの人がこう考えます。
とにかく資料を入れよう。
参考になる動画も入れよう。
他の専門家の記事も入れよう。
業界情報を全部覚えさせよう。
気持ちは分かります。
でも、ここは少し注意が必要です。
AIに情報を入れすぎると、自分の判断基準が薄まることがあります。
特に、他人の動画や記事を丸ごと入れる場合です。
その中には、共感できる部分もあります。
でも、いらない部分もあります。
自分とは違う考え方もあります。
今の顧客には合わない説明もあります。
それを丸ごとAIに入れると、AIは「その人の考え」と「自分の考え」を混ぜてしまいます。
結果として、出てくる文章がどこか借り物っぽくなる。
専門性はあるのに、自分の言葉ではない。
情報量は多いのに、芯がない。
きれいにまとまっているのに、なぜか刺さらない。
こうなりやすいです。
AIに入れるべきなのは、何でもかんでもではありません。
自分がどこに共感したのか。なぜそう考えるのか。ここまで渡す必要があります。
渡すべきなのは、知識ではなく判断の理由
では、専門家はAIに何を渡せばいいのか。
専門知識そのものも大事です。
ただ、それだけでは足りません。
もっと大事なのは、その知識をどう扱っているかです。
1. なぜその考えを大事にしているのか
単なる知識ではなく、自分の経験から来る判断理由。
2. どこに共感したのか
他人の情報を入れるなら、丸ごとではなく共感した部分と理由。
3. 読者がどこでつまずくのか
専門家には当たり前でも、初めて聞く人が分からない場所。
4. どの表現を避けるのか
強く言いすぎないこと、誤解されやすい言葉、公開前に確認する部分。
5. 最後に人間が判断すること
AIに任せる範囲と、専門家本人が必ず見る範囲。
ここまで入ると、AIの出力は変わります。
ただ詳しい文章ではなくなります。
その専門家が、なぜそう考えるのか。
どこを大事にしているのか。
どんな人に届けたいのか。
そこが出てきます。
AIは、専門性の翻訳者になる
専門家がAIを使うとき、僕は「記事を書かせる道具」としてだけ見るのはもったいないと思っています。
AIは、専門性の翻訳者になります。
専門家の頭の中にある正しい知識を、読者が受け取れる言葉に変える。
たとえば、専門家は原因や構造から話したくなります。
でも、読者は最初にこう思っています。
結局、自分は何から始めればいいのか。
これは自分にも関係あるのか。
今やっていることは間違っているのか。
相談する前に、何を準備すればいいのか。
この入口に合わせて、専門性を組み替える。
ここにAIが使えます。
難しい話を薄めるのではありません。
専門性を崩さずに、届く順番へ並べ直す。
専門用語を使う前に、読者の不安を拾う。
正しい話を、相手が受け取れる形にする。
これが、専門家のAI活用でかなり大事な役割です。
最新AIより先に、翻訳の型を作る
AIの世界は、毎日のように新しい言葉が出てきます。
最新モデル。
エージェント。
MCP(AI接続の仕組み)。
Claude Code(実装AI)。
Obsidian(知識保管庫)。
もちろん、必要な場面では使います。
でも、専門家の発信で最初に必要なのは、最新AIを追うことではありません。
自分の専門性を、誰に、どんな順番で、どんな言葉に変えて届けるかです。
ここがないままAIを使うと、出力は増えます。
でも、伝わる発信にはなりにくいです。
逆に、この翻訳の型があると、AIはかなり働きます。
ブログにする。
SNS投稿にする。
動画台本にする。
セミナー資料にする。
個別相談前に読んでもらう資料にする。
スタッフが説明しやすいQ&Aにする。
媒体が変わっても、軸は同じです。
専門家ほど、AIに任せる前に言葉の橋を作る
専門家にとって、AIはただの時短ツールではありません。
頭の中にある知識を、必要な人へ届けるための編集者になります。
ただし、AIに丸投げしても伝わる文章にはなりません。
AIには、材料が必要です。
専門知識。
判断基準。
共感した理由。
過去の相談。
避ける表現。
読者が最初に感じている不安。
これらを渡すと、AIはただ文章を作るのではなく、専門性を届く形に変えやすくなります。
知識を増やす。
情報を入れる。
最新AIを触る。
それも悪くありません。
でも、その前に必要なことがあります。
自分の専門性を、読者の悩みの言葉へ翻訳すること。
ここから始めた方が、AIは事業の中で働き始めます。


