なぜ月商100万円でも手元に利益が残らないのか?物販事業者が陥る5つの利益の罠【2025年最新分析】

毎月100万円を売り上げた瞬間、あなたはきっと心の底から「やった!」と喜びを感じたことでしょう。

長い間がんばってきて、ついに大きな目標を達成できた満足感は、何にも代えがたい特別なものですよね。

でも、その喜びもほんの少しの間。

月末にお金の出入りを記録したもの(家計簿のようなもの)を見て、「あれ?売上は増えているはずなのに、どうして手元にお金が残っていないんだろう?」と驚いてしまう現実が待っています。

この疑問は、決してあなた一人が感じているものではありません。

実は、月に100万円以上を売り上げている人のうち、約7割が同じような悩みを抱えているというデータがあるのです。

これには、商品を売るビジネスならではの「売上が増えても、儲けが同じように増えるとは限らない」という仕組みの問題が隠されています。

多くの人は「売上さえ上がれば、儲けも自然と増えるはずだ」と考えがちですが、これは大きな勘違いです。

特に、毎月の売上が100万円を超えたあたりから、これまでとは違う新しい問題が出てきて、利益の計算が複雑になってきます。

例えば、

  • 商品を宣伝するための広告費

  • Amazonや楽天といった販売サイトに支払う手数料

  • 商品を保管しておくための倉庫代などの費用

  • 忙しくなって作業を他の人にお願いするための人件費

  • 「もし在庫があればもっと売れたのに」といった、気づきにくい損

など、さまざまな出費が重なって、あなたの手元に残るはずの利益を少なくしてしまっているのです。

この記事では、商品を売るビジネスで多くの人がはまりがちな「5つの利益の落とし穴」を一つひとつ詳しく解説し、どうすればそれを解決できるのか、具体的な方法をお伝えします。

さらに、AI(人工知能)と「在庫を持たない販売方法」を組み合わせた新しいやり方で、売上の30%以上を利益としてしっかり確保する方法についてもご紹介します。

この記事を読み終える頃には、あなたのビジネスの「お金の儲け方」を根本から見直し、これからもずっと安定して高い利益を出し続けられる仕組みに変えていくための、はっきりとした手順が見えてくるはずです。

目次

物販ビジネスの利益率問題:業界の現実を直視する

EC事業における利益率の厳しい現実

インターネットで商品を売るビジネスは、多くの人が思っているよりも、実は利益を出すのが大変な世界です。

一般的に、ネット販売では、売上の中から最終的に20%くらいが自分の儲けとして残るのが理想だと言われています。

しかし、実際にこれだけの利益を出せている人は、全体の3割ほどしかいないのが現実です。

業界で昔から言われている「3・3・4の法則」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、お金の使い方の目安で、

  • 売上の3割を、商品の仕入れ代(原価)に

  • 売上の3割を、広告などの宣伝費(販売促進費)に

  • 残りの4割を、その他の経費と自分の利益に

という考え方です。

一見すると、この法則通りにやれば、ちゃんと20%の利益を確保できそうに思えますよね。

しかし、この法則が考え出された時代と今とでは、ビジネスを取り巻く環境が大きく変わってしまいました。

現在では、当時はなかったような色々な費用が追加でかかるため、この計算通りに利益を確保することは非常に難しくなっています。

売上拡大と利益の非比例関係

毎月の売上が100万円に届いた人が最初にぶつかる大きな壁。

それは、「売上が増えても、同じように利益が増えるわけではない」という問題です。

売上が2倍になったからといって、手元に残る儲けも2倍になるわけではありません。

むしろ、売上が増えるにつれて、かえって色々な費用がかさんでしまい、利益の「割合」が下がってしまうケースが多くあります。

この現象がなぜ起こるのかというと、主な理由は、お店の規模が大きくなることで、やることが複雑になるからです。

  • 扱う商品の種類が増えれば、在庫の管理が大変になります。

  • 注文の数が増えれば、商品を発送するためのお金もかかります。

  • ライバルが増えれば、商品を宣伝するための広告費も上がっていきます。

  • さらに、事業が大きくなると、自分一人では手が回らなくなり、仕事の一部を他の人にお願いする必要が出てきて、そのための費用も増えていきます。

実際の例を見てみましょう。

あるお店は、月の売上が50万円だった頃、利益の割合は25%(12.5万円の儲け)を保っていました。

しかし、頑張って売上を月100万円まで伸ばしたところ、利益の割合は15%(15万円の儲け)にまで下がってしまいました。

売上は2倍になったのに、儲けの金額は12.5万円から15万円へと、ほんの少し(1.2倍)しか増えなかったのです。

このお店の場合、広告にかける費用が売上の20%から35%に増えてしまったこと、そして、新たに仕事を手伝ってもらうための費用が売上の8%を占めるようになったことが、利益を減らした主な原因でした。

業界構造的な問題の深刻化

商品を売って利益を出すのが難しいのは、個人のやり方の問題だけではなく、業界全体の仕組みそのものにも原因があります。

特に、これからお話しする3つの「仕組みの問題」が、利益を出しにくくしています。

1. 場所代(手数料)が高くなっている問題

Amazonや楽天といった、商品を売るための「場所」(プラットフォーム)に頼っていると、どうしても手数料の負担が大きくなります。

これらのサイトは、手数料のルールをたびたび見直しますが、そのたびに売り手の負担は増えていくことが多いのです。

例えばAmazonでは、商品が売れた時に支払う販売手数料のほかに、商品を預かってもらう倉庫の利用料(FBA手数料)、広告費、月々のサイト利用料など、色々な費用がかかります。

気づけば、売上の20%〜30%が手数料で消えていた、なんてことも珍しくありません。

2. 値下げ競争が当たり前になっている問題

ライバルとの厳しい価格競争も、利益を減らす大きな原因です。

たとえ、あなたが考えたオリジナル商品(OEM商品)を売っていても、すぐに真似をされて似たような商品が出てきて、結局は値下げ競争に巻き込まれてしまいます。

特に最近は、中国から直接商品を仕入れる業者が増えたため、同じ商品をより安く売るライバルが次々と現れ、決めた価格で売り続けることがとても難しくなっています。

3. 商品の発送にかかるお金が上がっている問題

送料などの「物流コスト」が年々上がっている問題も見逃せません。

人手不足による配送料の値上げ、段ボールなどの梱包材の価格アップ、返品対応にかかる費用など、商品をお客様に届けるためのお金はどんどん高くなっています。

特に、個人や小さな会社は、大企業のように「送料を安くしてほしい」といった交渉をするのが難しいため、この影響をより強く受けてしまうのです。

利益率低下の隠れた要因

多くの人が見落としがちな、利益が減ってしまうその他の原因についても見ていきましょう。

気づかないうちの損(機会損失)

売上が増えて忙しくなると、毎日の注文の対応や発送作業に追われてしまいます。

その結果、本当はもっと儲かるはずの新しい商品を考えたり、新しいビジネスを始めたりするための時間やエネルギーがなくなってしまうのです。

これも、目には見えない大きな「損」と言えます。

税金の問題

売上が大きくなると、税金のルールも変わってきます。

例えば、これまで払う必要がなかった消費税を納める義務が出てきたり、「個人事業主」から「会社(法人)」になることを考えたりする必要が出てきます。

こうした変化にうまく対応しないと、最終的に手元に残る利益が、思ったよりずっと少なくなってしまう可能性があります。

手元のお金が足りなくなる問題(キャッシュフロー)

これも深刻な問題です。

帳簿の上では売上が増えているのに、なぜか手元にお金がない、という状況です。

これは、売上のお金がすぐに入金されるわけではないのに、商品の仕入れ代や広告費などの支払いが先に出ていくために起こります。

そのせいで手元のお金が足りなくなり、お金を借りるための余計な費用がかかってしまうことさえあるのです。


このように、色々な原因が複雑にからみ合って、月100万円を売り上げても「思ったより儲からないな」と多くの人が悩んでしまうのです。

しかし、安心してください。

これらの問題は、決して解決できないものではありません。

きちんと原因を分析して、正しいやり方で一つひとつ向き合っていけば、利益をしっかり確保できる強いビジネスに変えていくことは、十分に可能なのです。

利益の罠1:見えない経費の積み重ね

広告費がどんどん増えていくワナ

商品を売る人が最初にはまりがちな大きな落とし穴は、広告費がずっと増え続けることです。

ビジネスを始めたばかりの頃は、少ない広告費でも十分にお客様を集められたのに、ライバルが増えたり市場が変化したりするにつれて、同じ成果を出すためにもっと多くのお金が必要になっていくのです。

この問題は、CPA(Cost Per Acquisition)、つまり「一人のお客様を獲得するためにかかる費用」が上がっていく、という形でハッキリと現れます。

例えば、初めは一人のお客様に来てもらうのに1,000円で済んでいたのが、1年後には3,000円、2年後には5,000円と、どんどん高くなっていくのは、決して珍しい話ではありません。

売上を伸ばし続けるために広告費を増やし続けた結果、売上の40%以上が広告費に消えてしまい、利益がほとんど残らない…という状況に陥ってしまう人も多いのです。

では、なぜこんなことが起きるのでしょうか?

根本的な原因は、多くの人が目先の売上を追いかけるあまり、長期的な視点でお店のファンを作ること(ブランド構築)や、一度買ってくれたお客様に「またここで買いたい」と思ってもらうこと(顧客ロイヤルティ)を後回しにしているからです。

新しいお客様を見つけることにばかり力を入れて、リピーターになってもらうための仕組みができていないため、常に高いお金を払い続けて、新しいお客様を探し続けなければならない悪循環に陥っているのです。

さらに、広告サイトの仕組みが変わることも、広告費が増える原因になります。

GoogleやFacebook(現Meta)などは、定期的にサイトの仕組み(アルゴリズム)を新しくします。

すると、昨日までうまくいっていた広告が、今日になったら突然効かなくなる、ということが起こり得るのです。

その結果、また効果的な方法を探すために余計な広告費を使うことになり、一時的に広告の効率がとても悪くなってしまうことがあります。

気づきにくい「場所代」(プラットフォーム手数料)

Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングといったネット上の「場所」を借りて商品を売っている人にとって、その場所代(手数料)は避けられない出費です。

しかし、多くの人は手数料が全部でいくらかかっているかを正確に把握しておらず、気づかないうちに思った以上の金額を支払っていることがよくあります。

Amazonの場合

例えばAmazonでは、商品が売れた時の「販売手数料」だけでなく、「倉庫の利用料(FBA手数料)」、「毎月のサイト利用料」、「商品が長く売れ残った時の保管料」、「返品の対応にかかる手数料」など、本当にたくさんの種類の手数料がかかります。

これらを全部合わせると、売上の25%から35%にも達することは珍しくありません。

特に、商品の売れ行きが悪い場合や、返品が多い商品を扱っていると、この負担はさらに重くなります。

楽天市場の場合

楽天市場も同じです。「サイトのシステム利用料」や「決済サービスの手数料」、「紹介料(アフィリエイト手数料)」、お客様に渡す「楽天ポイントの負担分」など、こちらも複数の費用がかかります。

さらに、楽天市場では広告を出すことが売上を伸ばすためにほぼ必須となっているため、これらの費用をすべて含めると、場所代の合計が売上の30%から40%に達することもあります。

売上が増えるほど、負担も増える

これらの場所代(手数料)は、売上が増えるほど支払う金額も自動的に大きくなるため、あなたの利益に深刻な影響を与えます。

例えば、月の売上が50万円の時に手数料が15万円だったとします。

売上が2倍の100万円になれば、手数料も2倍の30万円になります。

しかし、その間には仕入れ代や広告費など他のお金も増えているため、売上が2倍になっても、手元に残る儲けの伸びは、売上の伸びよりもずっと小さくなってしまうのです。

見過ごしがちな「発送のお金」(物流コスト)

商品を発送するためにかかるお金(物流コスト)は、多くの人が「だいたいこれくらいだろう」と軽く考えがちな部分ですが、実は利益を大きく左右するとても重要なポイントです。

特に、目に見える送料だけでなく、梱包に使う材料費や倉庫の保管料、返品の対応費用など、さまざまな「隠れたコスト」が存在します。

送料は「基本料金」だけじゃない

多くの人は宅配便の基本料金だけを考えがちですが、実際には「時間指定」の追加料金や「代金引換」の手数料、「再配達」にかかる費用、万が一配送中に商品が壊れたり無くなったりした時のための補償費用など、追加の費用がたくさんかかります。

特にお客様に喜んでもらうために「送料無料」にしている場合、これらの細かい費用はすべて自分のお店が負担することになり、利益を圧迫する大きな原因となります

梱包材の費用も、積もれば大きい

商品を安全にお客様へ届けるための段ボールや緩衝材(プチプチなど)、テープといった梱包材の費用も無視できません。

これらの費用は、商品一つひとつに対して必ずかかってくるものです。特に、値段が安い商品を扱っている場合、この梱包材にかかる費用が、商品の仕入れ値の10%〜15%を占めてしまうこともあります。

「返品」にかかる隠れたコスト

返品の対応にかかるお金も深刻な問題です。返品が1件あるだけで、私たちが想像している以上にお金と手間がかかっています。

  • 返品された商品をチェックする人件費

  • もう一度きれいに梱包し直す手間と材料費

  • サイトに商品を再出品する作業

  • 返品の際の送料の負担

  • 一度返品されたことで商品の価値が下がってしまう損失

など、多くのコストが発生します。たとえ返品される確率が全体の5%だとしても、これらの費用をすべて合計すると、売上全体の2%〜3%もの負担になることがあるのです。

具体的な改善策と計算例

これらの見えない経費を削減するためには、まず正確な現状把握が必要です。以下の表は、月商100万円の事業者における典型的な経費構造の例です。

 

金額

売上比率

商品原価

300,000円

30%

広告費

350,000円

35%

プラットフォーム手数料

250,000円

25%

物流コスト

80,000円

8%

その他経費

50,000円

5%

利益

-30,000円

-3%項目

この例では、100万円を売り上げていても、最終的には3万円の赤字(損)が出てしまっています。

特に、広告にかけたお金と、サイトに支払う場所代(手数料)の負担が大きすぎることが、利益をなくしてしまった原因だとわかります。

では、どうすればこの状況を改善できるのでしょうか? 以下のような解決策が効果的です。

1. 広告費を見直す

まず、効果の薄い広告はやめて、使った広告費以上にしっかりと売上を上げてくれる、本当に意味のある広告にお金を集中させましょう。

また、常に新しいお客様を探すだけでなく、一度買ってくれたお客様にメールを送ったり、再度広告を表示させたりして、リピーターになってもらう工夫をします。

リピーターが増えれば、高いお金を払って新しいお客様を探し続ける必要がなくなります。

2. 場所代(手数料)を安くする

今使っているサイトよりも手数料が安い別の販売サイトを探して、そちらでも商品を売ってみることを検討します。

また、自分だけのお店(自社ECサイト)を作って、手数料を払わずに直接商品を売る割合を増やすのも良い方法です。

もしAmazonの倉庫(FBA)を利用しているなら、なかなか売れない商品だけは自分で発送するように切り替えましょう。

そうすれば、商品を長く預けておくことで発生する保管料を節約できます。

3. 発送にかかるお金を節約する

配送業者に料金を安くしてもらえないか交渉したり、段ボールなどの梱包材をまとめてたくさん買うことで一個あたりの値段を下げたり、梱包のやり方を見直して使う材料の量を減らしたりすることが有効です。

また、商品の説明をより詳しく書いたり、お客様とのやり取りを丁寧にしたりして、そもそも「返品」が起きないように努力することも、とても大切です。

これらの改善策を実施することで、上記の例では以下のような改善が期待できます。

項目

改善前

改善後

削減額

広告費

350,000円

250,000円

100,000円

プラットフォーム手数料

250,000円

200,000円

50,000円

物流コスト

80,000円

60,000円

20,000円

利益

-30,000円

140,000円

170,000円

この改善により、利益率は-3%から14%に大幅に改善され、月商100万円で14万円の利益を確保できるようになります。

見えない経費の削減は、即効性があり、かつ継続的な効果が期待できる重要な改善策なのです。

利益の罠2:価格競争による利益率低下

競合増加による価格圧迫の実態

商品を売るビジネスにおいて、最も深刻な利益の落とし穴の一つが、ライバルとの価格競争によって儲けがどんどん減っていくことです。

特に、あなたの商品が売れれば売れるほど、それを見て「儲かりそうだ」と考えるライバルたちが集まってきやすくなり、結果として値下げ競争に巻き込まれてしまいます。

この流れは、商品の流行り廃りが早くなった現代では、よりはっきりと見られるようになっています。

Amazonでの値下げ競争のリアル

Amazonでの値下げ競争の様子を見てみましょう。

人気のある商品のジャンルでは、平均して毎月2〜3社の新しいライバルが現れ、今までの値段よりも安く売り始めることがよくあります。

例えば、あるキッチン用品は、最初に売り出した人が3,980円で販売していました。

しかし、ライバルがどんどん増えた結果、半年後には値段が2,480円まで下がり、儲けの割合(利益率)は35%から、たったの8%にまで落ち込んでしまった、というケースがあります。

なぜ、すぐにライバルが現れるのか?

この価格下落の背景には、誰でも簡単にこのビジネスを始められるようになったことがあります。

特に、中国から商品を直接、安く仕入れることができるようになったため、同じ商品をより安く売るライ”バルが次々と現れるのです。

また、たとえあなたが考えたオリジナル商品(OEM商品)であっても、すぐにそっくりな商品が作られて市場に出てくるため、「自分だけの商品」であり続けるのが難しくなっています。

抜け出すのが難しい「負のループ」

さらに深刻なのは、値下げ競争が一度始まってしまうと、それを止めるのが非常に難しいことです。

ライバルが値段を下げたら、こちらも対抗して値段を下げざるを得ません。

その結果、業界全体で儲けが出なくなっていく「負のループ」にはまってしまいます。

このような、血で血を洗うような激しい競争状態のことを「レッドオーシャン」と呼び、多くの人が疲れてビジネスから去っていく原因となっています。

OEM商品でも避けられない価格競争

「自分で企画したオリジナル商品(OEM商品)なら、値下げ競争には巻き込まれないだろう」

多くの人がこのように考えていますが、残念ながらこれは大きな間違いです。

今の時代、オリジナル商品であっても価格競争は避けられません。

なぜなら、あなたが商品を「作ってください」とお願いした工場が、別の会社のそっくりな商品も同時に作っていることは当たり前になっているからです。

その結果、見た目は少し違っても、中身はほとんど同じ商品が、色々なブランド名で売られることになります。

中国の工場の多くは、一つの設計図を色々な会社に売ることで、効率よく儲けています。

もし「この商品はうちの会社だけで作ってください!」とお願いする(独占契約する)には、ものすごく大量に注文したり、「金型」という部品を作るための高額な費用を負担したりする必要があります。

月に100万円くらいを売り上げているお店にとって、これだけのお金を払うのは現実的ではありません。

また、たとえオリジナル商品であっても、ライバルは商品の写真や説明文から「こんな作りになっているんだな」と推測して、似たような商品を簡単に作ることができてしまいます。

特に、売れている人気商品ほど真似されやすく、あなたが商品を売り出してから3ヶ月〜半年もすれば、そっくりな商品が市場に出てくることがよくあります。

実際にあったケース

あるアパレルのお店が、オリジナルのTシャツを2,980円で売っていました。

ところが、すぐに似たデザインのTシャツが1,980円で売り出され、最終的には自分も1,480円まで値段を下げないと売れなくなってしまいました。

このお店の場合、儲けの割合(利益率)は45%から15%にまで下がり、ビジネスを続けるのが難しくなってしまったのです。

「他とは違う」を伝える難しさと、「薄利多売」の限界

値下げ競争から抜け出すために、多くの人は「うちの商品はライバルとは違うぞ」とアピールしようとします(差別化)。

しかし、これも簡単なことではありません。

便利な機能を追加しても、すぐに真似されてしまいます。

おしゃれなデザインにしても、それがお客様の好みに合うかはわからず、売れる保証はありません。

特にネット通販では、商品の細かい良さをお客様に伝えるのはとても難しいです。

お客様はどうしても値段や基本的な機能だけで商品を比べてしまいがちです。

その結果、少し機能や品質が良くても、その価値が値段の高さに見合うと認めてもらえず、結局は値下げ競争に戻ってしまうのです。

「安くたくさん売る」作戦がうまくいかない理由

「利益が減った分を、たくさん売ることでカバーしよう」と考える人もいます(薄利多売)。

しかし、このやり方にも限界があります。

問題①:結局あまり儲からない まず、売る量を増やそうとすれば、その分、広告費や送料も増えてしまいます。そのため、たくさん売れても思ったほど手元に残る儲けは増えません。

問題②:リスクが大きくなる たくさん売るためには、たくさんの在庫を抱えることになります。もし売れ残ってしまったら大きな損になりますし、手元のお金も減ってしまいます(キャッシュフローの悪化)。

問題③:将来が危うくなる さらに、この「薄利多売」は、お店の体力をどんどん奪っていき、将来の競争力を弱めてしまいます。儲けが少ないので、新しい商品を開発したり、商品の質をもっと良くしたりするためのお金が使えません。その結果、だんだんとライバルに勝てなくなっていくのです。

値下げ競争から抜け出すための基本戦略

値下げ競争から抜け出すには、考え方を根本から変える必要があります。一番大切なのは、値段以外の「価値」をお客様に提供することです。具体的には、次のような方法が効果的です。

1. 「買ってよかった!」と思える体験を作

商品の良さだけでなく、注文してから商品が届き、その後に使うまでのすべての場面で、お客様に満足してもらうことを目指します。

例えば、「商品をすぐに届ける」「きれいに丁寧に梱包する」「わかりやすい説明書を入れる」「問い合わせに親切に対応する」など、値段以外の部分で「このお店で買ってよかった」と思ってもらうのです。

2. 商品の「物語」を伝える

その商品がどんな想いで作られたのか、どんな人が作っているのか、どんな背景があるのか…といった「物語」を伝えることで、商品に愛着を持ってもらいます。

こうすることで、お客様はただ値段を比べるのではなく、その物語に共感して商品を選んでくれるようになります。

3. 「ニッチな市場」を狙う

大きな市場はライバルが多くて値下げ競争になりがちです。しかし、とても狭い範囲の特別なニーズ(ニッチ市場)に注目すれば、ライバルが少なく、高い値段でも売れやすくなります。

例えば、ただの「キッチン用品」ではなく、「左利きの人専用のキッチン用品」に絞って売る、といった方法です。こうすれば、ライバルを避けながら「こんな商品が欲しかった!」という人に喜んでもらえます

4. 売る場所を増や

Amazonのような大きなサイトではどうしても値下げ競争が激しくなります。しかし、自分のお店(自社サイト)や、もっと専門的なサイトで売れば、高い値段でも買ってくれるお客様が見つかることがあります。


値下げ競争から抜け出すのは、一日や二日でできることではありません。

しかし、コツコツと取り組みを続けることで、安定して高い利益を出せるビジネスを作ることは十分に可能です。

大切なのは、目先の売上を追いかけることよりも、将来にわたってライバルに負けない強さ(競争力)を育てることを一番に考えることです。

利益の罠3:在庫管理コストの見落とし

どんどん膨らむ在庫のお金(保管コスト)

商品を保管しておくためのお金(在庫管理コスト)も、多くの人が甘く見がちな部分ですが、実は利益を大きく減らす原因になります。特に、ビジネスが大きくなるにつれて、色々な費用が積み重なり、思った以上の負担になることが多いのです。

自宅や事務所での保管にも「見えないコスト」がある

自宅や事務所に商品を置いていると、直接お金を払っていないように感じますが、実は「機会損失」という見えないコストがかかっています。

例えば、月10万円の家賃の事務所があるとします。

もし、その部屋の3割を在庫を置くために使っているなら、それは実質的に月3万円を倉庫代として払っているのと同じ、と考えるべきなのです。

そのスペースを、他の仕事のために使えたはずだからです。

外部の倉庫は、基本料金以外にもお金がかかる

外部の倉庫を借りる場合は、もっとはっきりとお金がかかります。毎月の保管料(例えば1坪あたり月3,000円〜8,000円など)に加えて、

  • 商品を倉庫に入れる時(入庫料)

  • 商品を倉庫から出す時(出庫料)

  • 商品をチェックする時(検品料)

  • 商品を梱包する時(梱包料)

など、作業ごとにお金がかかります。

さらに、温度管理が必要な商品など、特別な扱いが必要な場合は、追加の料金がかかることもあります。

Amazon倉庫(FBA)の「長期保管手数料」に注意

Amazonの倉庫(FBA)を利用している場合も、保管料はかかり続けます。

特に気をつけなければいけないのが、「長期保管手数料」です。

これは、商品が365日以上売れ残っている場合に、通常の保管料に「追加で」請求される特別な手数料です。

売れ行きの悪い商品をたくさん置いていると、この手数料だけで月に数万円から数十万円もの大きな負担になってしまうこともあるので、絶対に注意が必要です。

在庫が引き起こす「見えない損」(機会損失)とは?

在庫管理における最も大きな「隠れたコスト」が、この機会損失です。

これは、「もし、この商品を仕入れるためのお金を、他のことに使っていたら得られたはずの利益」のことです。

少し難しいですが、ビジネスの利益を考える上で、とても大切な考え方です。

具体的に計算してみよう

例えば、あなたの手元に300万円分の在庫があるとします。

もしこの300万円を、在庫として寝かせておくのではなく、年に5%の利益が出るような簡単な投資に使っていたとしたらどうでしょう?

何もしなくても年間15万円(月に約1万2500円)の利益が生まれていたはずです。

つまり、在庫を抱えているだけで、あなたは毎月1万2500円の「見えない損」をしているのと同じことなのです。

商品の儲けの割合(利益率)が20%だとすると、この「見えない損」は、毎月6万2500円分を売り上げた時の利益と同じくらいの金額になります。そう考えると、とても大きな損をしていると感じませんか?

時間が経つと、商品の価値は下がっていく

在庫が引き起こす「見えない損」は、これだけではありません。

商品の価値が時間とともに下がってしまう「陳腐化(ちんぷか)」も大きな問題です。

特に、流行りの服や季節限定の商品は、時間が経つと価値が急激に下がってしまいます。

例えば、夏物の服を秋まで売れ残らせてしまったらどうなるでしょう?

おそらく、元の値段の半額や7割引でしか売れなくなってしまいます。

これは、実質的に30%から50%もの大きな損が出ているのと同じことなのです。

商品を「捨てる」ことの大きな損(廃棄リスク)

在庫管理で最も怖いリスクの一つが、売れ残った商品を捨てなければならなくなることです(廃棄リスク)。

商品を捨てる場合、その商品の仕入れ代だけでなく、これまでにかかった倉庫代や見えない損(機会損失)、そして商品を捨てるための費用まで、すべてが水の泡になってしまいます。

賞味期限や使用期限がある商品の怖さ

食べ物や化粧品など、期限がある商品は特にこのリスクが大きくなります。

業界ではよく「3分の1ルール」と言われますが、期限の3分の1を過ぎるとお店に並べてもらうのが難しくなり、3分の2を過ぎるともう捨てるしかなくなる、ということがよくあります。

例えば、期限が1年の商品なら、作られてから4ヶ月経つと売れにくくなり、8ヶ月経ったら捨てられてしまう可能性があるのです。

季節限定の商品も同じように危険

クリスマスグッズやバレンタインのチョコレート、夏物の服なども同じような危険を抱えています。

シーズンを過ぎてしまうと、大幅に値段を下げないと売れなくなり、場合によっては捨てるしかありません。

実際に、あるクリスマス商品を扱っていたお店では、12月の終わりになっても在庫の3割が売れ残り、最終的に仕入れ値の2割というタダ同然の値段で処分するしかなかった、というケースがありました。

捨てるのにも、お金がかかる

商品を捨てるための費用も、決して安くはありません。

普通のゴミとして捨てる場合でも、1kgあたり数十円から数百円かかります。

特別な処理が必要な「産業廃棄物」として捨てる場合は、さらに高くなります。

大量の在庫を捨てるとなると、その費用だけで数十万円から数百万円もの負担になることもあるのです。

在庫のお金を減らすためのヒント(在庫の最適化)

これまで見てきたような在庫に関する費用をできるだけ減らすには、「在庫の最適化」が絶対に必要です。

これは、欠品でお客様をがっかりさせないようにしつつ、無駄な在庫をなくして、在庫にかかる費用を最小限にすることを目指す考え方です。

① 正確に「売れる数」を予測する

まず一番大切なのは、将来どれくらい商品が売れるのかを、できるだけ正確に予測することです。過去の売上データや、季節、世の中の流行りなどを分析します。

最近では、AI(人工知能)の力を借りることで、この予測の精度を大きく上げることができます。

AIを使えば、人間の勘や経験だけに頼るよりも、予測のズレを3〜5割も減らせたという話もあります。

② 商品をランク分けして管理する(ABC分析)

これは、商品を売上への貢献度によってA・B・Cの3つのランクに分けて、それぞれに合った管理をする方法です。

  • Aランク(超・売れ筋商品): お店の売上のほとんど(約8割)を稼ぎ出してくれる、ほんの一握り(約2割)のエース商品。これは絶対に切らさないように、しっかり在庫を持ちます。

  • Cランク(あまり売れない商品): たくさん種類はある(約5割)のに、お店の売上にはあまり貢献しない(約5%)商品。これは、在庫をなるべく持たないようにします。

このようにメリハリをつけることで、お店全体の在庫を効率よくできます

③ 「念のための在庫」をちょうど良い量にする

急に注文が増えたり、商品の入荷が遅れたりした時のために持っておく「念のための在庫」(安全在庫)も大切です。

しかし、これが多すぎると倉庫代がかさみ、少なすぎると欠品して売るチャンスを逃してしまいます。

ちゃんと計算して、多すぎず少なすぎない「ちょうど良い量」を見つけることが重要です。

④ 在庫の「回転率」を上げる

「在庫回転率」とは、在庫がどれだけスムーズに入れ替わっているかを示す数字です。

この数字が高いほど、お金が在庫として眠っている時間が短く、効率よく商売ができている証拠です。

この回転率を上げるには、売れ筋の商品をしっかり見極め、売れない「死に筋商品」は早めに見切りをつけて処分し、仕入れのタイミングを調整する、といったことが効果的です。

具体的な改善事例として、ある事業者は以下のような取り組みにより在庫管理コストを大幅に削減しました。

改善項目

改善前

改善後

効果

在庫回転率

4回/年

8回/年

在庫額50%削減

廃棄率

8%

3%

廃棄損失62%削減

保管コスト

月額15万円

月額8万円

保管費用47%削減

機会損失

月額3万円

月額1.5万円

機会損失50%削減

この改善により、月額約8.5万円のコスト削減を実現し、年間で約100万円の利益改善効果を得ることができました。

在庫管理の最適化は、即効性があり、かつ継続的な効果が期待できる重要な改善策なのです。

利益の罠4:外注費用の膨張

「外注」で逆に増えるお金(管理コスト)

ビジネスが大きくなってくると、仕事の一部を他の人や会社にお願いすること(外注)を考える人が増えます。

しかし、外注は単純に楽になったり費用が安くなったりするものではありません。

やり方を間違えると、むしろ合計で支払うお金が増えてしまうことがあるのです。

特に、外注先を管理するためにかかる「見えないコスト」を見落としがちです。

一番の課題は「やり取り」にかかる時間

外注で一番の課題となるのが、コミュニケーションにかかるコストです。

外注先の人と打ち合わせをしたり、作業内容を伝えるための指示書を作ったり、作業がちゃんと進んでいるかを確認したり、出来上がったものの品質をチェックしたり…と、たくさんの管理作業が発生します。

これらの作業にかかっている自分の時間を時給に換算してみると、思った以上のお金がかかっていることに気づきます。

例えば、商品の写真を撮ってもらう場合…

商品の写真撮影を外注する例で考えてみましょう。

撮影費用として、1商品あたり5,000円を業者に支払ったとします。

しかし実際には、その裏であなたには次のような作業時間(見えないコスト)がかかっています。

  • 「こんな風に撮ってください」という指示書を作る:30分

  • 商品を業者に送ったり、返してもらったりする手間:1時間

  • 出来上がった写真を確認し、「ここを直してください」とお願いする:1時間

  • 合計:2.5時間

もし、あなたの時給が3,000円だとすると、この2.5時間で7,500円分の管理コストがかかっている計算になります。

その結果、写真1枚あたりの本当の費用は、撮影代5,000円+管理コスト7,500円=合計12,500円にもなってしまうのです。

「品質」の低下と、チェックにかかる余計な手間

外注で最も深刻な問題の一つが、品質を保つことの難しさです。

これまで自分でやっていた作業を他の人にお願いする場合、同じレベルの品質を保つのは簡単なことではありません。

もし品質が落ちてしまうと、お客様の満足度が下がったり、返品が増えたり、お店のイメージが悪くなったりと、悪いことばかりが起こります。

品質を保つために、結局こちら側で追加のチェック作業が必要になることもよくあります。

外注先から納品されたものをもう一度隅々まで確認し、おかしなところがあれば「ここを直してください」とお願いする作業です。

このチェック作業にかかる時間やお金を考えると、せっかく外注して楽になるはずだったのに、意味がなくなってしまうことさえあります。

例えば、商品説明文を書いてもらう場合…

あるお店が、商品説明文の作成を外注した時の話です。

納品された文章の質がとても低く、結局、自分たちでほとんど書き直さなければなりませんでした。

外注費用として、1商品あたり3,000円を支払いました。

しかし、その文章を直す作業に2時間もかかってしまいました。

もし時給3,000円で計算すると、この直し作業だけで6,000円。

結局、本当のコストは外注費3,000円+直し作業6,000円=合計9,000円になってしまったのです。

仕事を任せるほど、逆に大変になる?(スケールメリットの逆効果)

仕事をどんどん外注していくと、効率が良くなる(スケールメリット)と思いがちですが、実際には逆効果になってしまうことがあります。

例えば、たくさんの会社に仕事をお願いするようになると、それぞれの会社とのやり取りや、品質を同じレベルに保つことがとても難しくなり、管理にかかる手間やお金が爆発的に増えてしまうことがあります。

また、一つの外注先に頼りすぎてしまうと、こちらの立場が弱くなってしまいます。

「もっと安くしてください」といった値段の交渉がしにくくなったり、相手から「値上げします」と言われた時に、断れなくなってしまったりします。

特に、とても専門的な仕事をお願いしている場合、代わりの会社をすぐに見つけるのが難しいため、相手の要求を飲むしかなくなるのです。

さらに、外注先の会社の都合で、商品の納期が遅れたり、品質に問題が起きたりした場合、自分のお店のビジネスに大きなダメージが及ぶ可能性があります。

こうした危険を避けるためには、あらかじめ複数の会社にお願いできるように準備したり、いざという時に自分たちで作業できるようにしたりしておく必要があります。

しかし、結局そうした準備にもお金がかかるため、合計のコストは増えてしまうのです。

利益の罠5:機会損失の計算ミス

最大の落とし穴:あなたの「時間」の価値を安く見積もる

多くの人が見落としている最大の利益の落とし穴。それは、自分の「時間」の価値を安く考えすぎていることによる「見えない損」(機会損失)です。

特に、個人や小さな会社で頑張っている人は、もっと価値の高い仕事に使うべき時間を、誰でもできるような簡単な作業に使ってしまいがちです。

あなたの「時給」は、本当はいくら?

例えば、月に100万円を売り上げているあなた。あなたの時間の価値は、本当は時給5,000円以上あるはずです。

しかし実際には、商品の梱包や発送、簡単なデータ入力といった、時給1,000円くらいで他の人にお願いできる作業に、多くの時間を使っていませんか?

簡単な計算をしてみましょう。

月に100万円売り、利益が20万円(利益率20%)のあなたが、月に160時間働いているとします。

すると、あなたの1時間あたりの働きは、1,250円の利益を生み出している計算になります(20万円 ÷ 160時間)。

もし、あなたがこの貴重な時間のうち40時間を、時給500円で外注できる梱包作業に使ってしまったら…?

あなたは3万円もの「見えない損」をしていることになるのです。

(計算式:[あなたの時間価値1,250円 – 外注費500円] × 40時間 = 30,000円)

忙しすぎて、もっと大きなチャンスを逃している

日々の作業に追われていると、もっと儲かるはずの新しいビジネスチャンスを見逃してしまうことがあります。これも、とても大きな「見えない損」です。

新しい商品のチャンスを逃す

例えば、キッチン用品を売ってうまくいっているお店が、その成功に満足して、関連商品の「食卓で使うグッズ」や「収納グッズ」などに商品を広げることを考えないとします。

本当は、関連商品に手を広げることで売上を2倍、3倍にできるかもしれないのに、日々の作業が忙しくて、そんなことを考える時間すらないのです。

新しい「売る場所」のチャンスを逃す

また、新しい「売る場所」を開拓することも大切です。

Amazonでの販売で成功していても、楽天市場やYahoo!ショッピング、自分だけのお店(自社サイト)で売ることをしなければ、そこにいるはずだったお客様との出会いを逃しているかもしれません。

「もったいない」が、もっと大きな損を生む

正しい「投資」をしないことも、大きな損につながります。

特に、目先のお金を惜しむあまり、将来の自分を強くするための投資をしないことで、もっと大きな損をしてしまう可能性があります。

システムへの投資をしない損失

例えば、在庫管理のシステム導入に50万円かかるとします

「初期費用がもったいない」と思って導入を見送るとどうなるでしょう?

もし、そのシステムがあれば毎月5万円の無駄をなくせるとしたら、1年で60万円もの節約になります。

つまり、導入を1年遅らせるだけで、あなたは60万円もの「見えない損」をしているのです。

人への投資をしない損失

人への投資も同じです。優秀なスタッフを雇ったり、今いるスタッフの能力を上げるためにお金を使ったりすることを怠ると、お店の成長は遅くなり、ライバルに置いていかれてしまうかもしれません。

解決への道筋:利益構造の根本的見直し

儲かるビジネスへ変えるためのヒント(高利益率モデルへの転換)

これまで見てきた5つの利益の落とし穴を避けて、これからもずっと安定して儲け続けられるビジネスを作るには、考え方を根本から変える必要があります。

一番大切なのは、「いくら売れたか(売上)」よりも「どれだけ儲かったか(利益)」を重視することです。

① 商品に「プラスアルファの価値」をつける

たくさん儲けるための基本は、お客様に「値段以上の価値がある」と感じてもらうことです。

ただ商品を売るだけでなく、お客様が困っていることを解決したり、商品を使うことで得られる素晴らしい「体験」を提供したりすることに集中します。

そうすれば、値下げ競争をせずに、高い利益を保つことができます。

例えば、商品を売るだけでなく、

  • その商品の詳しい使い方を教える

  • メンテナンスのサービスをつける

  • 一緒に使うと便利な関連商品を提案する

…といったことを組み合わせることで、ただの「モノ売り」ではない、総合的な価値を提供します。

② あなた自身が「専門家」になる(ブランド化)

これもとても大切な考え方です。

ただ商品を売る人ではなく、ある分野の「専門家」という立場を確立することで、値段以外の価値で勝負できるようになります。

そのために、

  • ブログやSNSで専門的な知識をどんどん発信していく

  • お客様同士が交流できる場所(コミュニティ)を作る

  • あなたにしかできない特別なサービスを考える

…といった活動をしていきます。

AI(人工知能)を使って、賢くビジネスを効率化する

AIの技術をうまく使うことは、ビジネスの効率を上げて、儲けを増やすための大きなチャンスになります。

特に、これまで人間がやっていた作業をAIに任せる(自動化する)ことで、お金と手間を大きく減らしながら、仕事の質を上げることもできます。

AIによる「売れる数」の予測

AIの「機械学習」という技術を使えば、「次に何がどれくらい売れるか」という予測の精度を、これまでのやり方と比べて3〜5割もアップさせることが期待できます。

その結果、ちょうど良い量の在庫を保ちやすくなり、商品の廃棄を減らしたり、欠品による「見えない損」を最小限にしたりすることができます。

AIによる「最適な値段」の決定

値段を決める時にも、AIはとても役に立ちます。

ライバルの値段、世の中の需要、在庫の状況、季節など、たくさんの情報をAIがまとめて分析し、あなたの利益が一番大きくなる値段を自動で設定してくれるのです。

これを使えば、むやみな値下げ競争に巻き込まれることなく、ちゃんと儲けの出る値段を保つことができます。

AIによる「お客様対応」の自動化

お客様への対応も、AIに任せられる大切な仕事です。

「チャットボット」などのAIを使えば、人間が休んでいる間も、24時間365日、安い費用でお客様からの質問に答えることができます。

さらに、お客様が過去に何を買ったかなどのデータをAIが分析して、その人に合った商品を自動でおすすめする、といったことも可能になります。

在庫を持たない売り方で、リスクをなくす

「無在庫販売」は、在庫を持つことで発生する様々なリスクを根本からなくし、高い利益を目指すためのとても良い方法です。

商品を先に仕入れてから売る普通のやり方と比べて、

  • 最初にかかるお金が少ない

  • 手元のお金が減りにくい

  • 商品を捨てる心配がない

といった大きなメリットがあります。

やり方①:お客様から注文が入ってから仕入れる(ドロップシッピング)

このやり方では、お客様から「これをください」と注文が入ってから、メーカーや卸問屋に商品を発注します。そのため、自分でお店に在庫を置いておく必要が一切ありません。

これにより、倉庫代や、売れ残りを捨てる心配、在庫による「見えない損」を大幅に減らすことができます。

また、色々な種類の商品を気軽に扱うことができるようになり、多くの人の「欲しい」に答えられます。

やり方②:注文を受けてから作る(受注生産)

これも効果的な方法です。お客様からの注文を受けてから、商品を作り始めます。

こうすれば、在庫を持つリスクは完全になくなります。

特に、お客様一人ひとりの好みに合わせて作る商品(オーダーメイド品)や、一部の特別なファンに向けた商品などで力を発揮し、高い利益を安定して確保できます。

やり方③:デジタル商品を売る

これも「在庫を持たない」売り方の一つとして、注目されています。

例えば、電子書籍や、オンラインの勉強会、パソコンのソフト、イラストや写真のデータなどです。

これらの商品は、一度作ってしまえば、その後追加のお金をかけずに無限に売ることができます。

そのため、非常に高い利益を出すことが可能です。

あなたがいなくても回る「仕組み」を作る

長く成功し続けるためには、特定の個人の頑張りや能力に頼らない「仕組み」を作ることが絶対に必要です。

仕事のやり方を決めたり、自動化したり、システムを導入したりすることで、誰がやっても安定した品質とコストでビジネスを回せる状態を作ります。

① 仕事のやり方を「マニュアル化」す

それぞれの仕事の手順を文章や図でハッキリと残し、誰がやっても同じようにできるようにします。

こうしておけば、もし人が辞めたり新しい人が入ってきたりしても、仕事の質が落ちません。また、他の会社に仕事をお願い(外注)したり、作業を自動化したりする時もスムーズです。

② バラバラな情報を「システム」で一つにまとめる

お店の頭脳となるような、大きな管理システム(ERPなど)を導入して、注文の管理、在庫、お金の計算、お客様の情報などを、全部まとめて管理します。

これにより、お店の今の状況がリアルタイムでわかり、素早く正しい判断ができ、仕事全体が効率的になります。

③ お店の「成績表」をいつもチェックする(KPI管理)

お店の健康状態をチェックするための大切な数字(KPI)を決めて、それを常に監視します。

こうすることで、問題が起きてもすぐに気づいて、手遅れになる前に対策できます。

売上や利益率だけでなく、在庫の回転率、お客様の満足度、従業員の満足度など、色々な角度からお店の成績を評価し、常にもっと良くするための改善を続けます。


これらの工夫を積み重ねることで、たとえ月の売上が100万円でも、30%以上の高い利益を出し、これからも成長し続けることが可能になります。

一番大切なのは、目先の売上に心を奪われるのではなく、長期的な視点で、揺るがないビジネスの土台をしっかりと築くことなのです。

まとめ:利益率30%以上を実現する新しい物販ビジネスモデル

月に100万円を売り上げても、手元にお金が残らない…。その悩みは、決してあなた一人が抱えているものではありません。

この記事で詳しく見てきた「5つの利益の落とし穴」は、商品を売る仕事をしている多くの人がぶつかる共通の壁です。

しかし、安心してください。正しいやり方さえ知っていれば、これらの問題は必ず解決できます。

「見えない経費」「値下げ競争」「在庫のお金」「外注費のワナ」「時間の無駄遣い」という5つの落とし穴を避けるだけで、同じ売上でも、手元に残る儲けは大きく変わります。

実際に、これらの改善に取り組んだお店の多くが、利益の割合を15%から20%もアップさせることに成功しているのです。

そして、ここからが一番大切なことです。

AI(人工知能)と在庫を持たない売り方(無在庫販売)を組み合わせることで、これまでの常識をくつがえす、儲かるビジネスモデルを作ることができます。

在庫を抱えるリスクをなくし、AIに面倒な作業を自動でやってもらうことで、効率よくお店を運営する。このやり方なら、売上の30%以上を利益にすることも、決して夢ではないのです。

今すぐできること(具体的なアクション)

この記事を読んだあなたが、今すぐ実行できる具体的なアクションをご紹介します。

まず、あなたのお店の「お金の流れ」を正確に知ることから始めましょう。

売上、商品の仕入れ値、広告費、サイトに払う手数料、送料、その他のお金。これらを全部書き出して、どこに無駄があり、どこを改善できるかを見つけ出します。

次に、一番効果がありそうな改善策から順番に実行していきます。

多くの場合、広告費の見直しと、見えない経費をなくすことで、すぐに大きな効果が出ます。

そして、そこで生み出した利益を、AIシステムの導入や「在庫を持たない売り方」への挑戦に使うことで、将来にわたってライバルに負けない強いビジネスを作ることができます。

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  • 実際の例を使った、お店のお金の流れの分析方法

  • AIを使った、売れる数の予測と値段の決め方

  • 「在庫を持たない売り方」の成功例と、気をつけるべき点

  • あなたがいなくても仕事が回る「自動化の仕組み」の作り方

  • これら全部を組み合わせた、新しいビジネスの設計図

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個別相談では、あなたが扱っている商品のジャンルや、売っているサイトに合わせた、より具体的なアドバイスをします。

そして、3ヶ月後、半年後、1年後にどうなっていたいか、具体的な目標と計画を一緒に作ります。

計画を実行する中でのサポートや、定期的な進み具合のチェックも行い、あなたが確実に成果を出せるようお手伝いします。


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