どうも、Kazuです。
新商品を作る。
仕入れた商品を、新しい市場で売る。
自社ブランドの商品を作る。
このとき、多くの人が最初に考えるのは、商品のターゲットや訴求です。
「30代以上の女性に売ろう」
「品質の高さを前に出そう」
「この悩みを持つ人なら反応するはず」
そして、その前提をAIへ渡します。
すると、AIはもっともらしい商品コンセプトや説明文を作ってくれます。
内容を読めば、良さそうに見える。
そのまま商品ページを作り、広告を出し、在庫を持つ。
でも売れなければ、またページを作り直す。
ここで見落としやすいことがあります。
AIが整えたのは、あなたが最初に決めた前提かもしれません。
そのターゲットが本当に合っているのか。
その悩みに、お金を払う人がいるのか。
競合と比べて、選ばれる理由があるのか。
そこまで調べていなければ、AIを使っていても、自分の勘の延長で商品を作ることになります。
普通のAIチャットでも調査はできます
ここは誤解してほしくありません。
ChatGPTやClaudeとの普通のチャットでも、市場や競合を調べることはできます。
今ある商品案を整理する。
商品説明文を直す。
広告の見出しを複数出す。
こうした仕事には、とても便利です。
ただし、一つの会話で商品案から販売方法まで相談すると、最初に渡した前提の中で話が進みやすくなります。
「30代女性向けの商品です」と伝えれば、30代女性に刺さる訴求を考える。
「この機能が強みです」と伝えれば、その機能が魅力的に見える説明を考える。
でも、販売前に確認したいのは、その前提を採用してよいのかです。
そこで僕は、大きな調査が必要なときにAIエージェントチーム(役割を分けたAIチーム)を使います。
AIの専門チームは、前提から調べ直します
AIエージェントチームというと、難しい仕組みに聞こえるかもしれません。
考え方はシンプルです。
一つのAIに全部を相談せず、仕事ごとに担当を分けます。
たとえば、新商品の調査なら、次のような担当を作ります。
- 自社の商品資料と販売履歴を読む担当
- 市場の規模や変化を調べる担当
- 競合商品と販売ページを調べる担当
- 自社と競合の商品レビューを分析する担当
- 狙う顧客の候補を複数出す担当
- 商品の立ち位置とコンセプトを考える担当
- 単品、セット、価格の見せ方を考える担当
- 商品ページと説明文を設計する担当
- 広告、SNS、販売チャネルを考える担当
- 各提案の弱点や矛盾を指摘する担当
- 全体をまとめ、実行順へ変える担当
人数を増やすことが目的ではありません。
同じ商品を、違う立場から調べることに意味があります。
市場を調べる担当は、市場の変化や需要を見る。
レビューを読む担当は、購入者が実際に使った言葉を見る。
競合を調べる担当は、どの悩みを、どんな言葉で訴求しているかを見る。
それぞれが調べた結果を持ち寄ると、自分一人では見落としていた候補が出てきます。
自分が気に入っている訴求ほど、一度疑います
僕は今、AI導入の伴走で、年商数千万円規模の一人事業から、数十億規模の会社まで見ています。
その現場で新商品を扱うと、最初から悪い案が出てくるとは限りません。
むしろ、良さそうな案だからこそ、そのまま進みやすいんです。
ある商品の相談では、最初のターゲットが「30代以上の女性」でした。
間違いとは言えません。
でも、それだけでは広すぎます。
どんな生活場面で困っているのか。
悩みが強くなるのは、いつなのか。
品質、手軽さ、価格、安心感のうち、何を優先するのか。
単品から見せるのか、セットから見せるのか。
ここまで分けると、商品ページも広告も変わります。
だから、AIチームには案を作らせるだけでなく、反対意見も出してもらいます。
このターゲットでは広すぎないか。
競合と同じ言葉になっていないか。
公開情報だけでは確認できない数字を、事実のように扱っていないか。
売り手に都合の良い解釈が混じっていないか。
賛成案だけでなく、採用しない理由まで並べてもらう。
これで、気に入った案を無条件に採用する状態から離れやすくなります。
外の情報だけでも、自社の情報だけでも足りません
AIチームを作っても、「この商品を調べてください」だけでは浅くなります。
先に、自社の情報を渡します。
- 商品の仕様と原価
- 現在の販売価格と利益の条件
- 既存商品の売上と注文履歴
- 自社に届いたレビューや問い合わせ
- 広告の反応と過去に試した訴求
- 使える販売チャネルと運営上の制約
- 今回の目標と、避けたいこと
そのうえで、公開されている市場情報、競合ページ、ランキング、レビュー、検索結果などを調べてもらいます。
ここでは、事実と推定を分けることも必要です。
競合商品の正確な売上は、公開情報だけでは分からないことがあります。
検索結果やレビュー件数だけで、「この商品は売れている」と断定するのも危険です。
出典がある事実、AIが立てた仮説、確認できない項目を分けて出す。
この線引きを入れておくと、調査結果をそのまま信じるのではなく、次のテストに使える材料として読めます。
納品してもらうのは、正解ではなく複数の仮説です
大規模に調べたからといって、販売前に正解が分かるわけではありません。
市場や競合を調べても、最後は実際に出して反応を見る必要があります。
だから、僕がAIチームから受け取りたいのは、一つの断定ではありません。
- ターゲット候補A、B、Cと、それぞれの根拠
- 顧客が抱える悩みの優先順位
- 競合との違いを作れそうな場所
- 商品コンセプトと訴求の候補
- 先に見せる商品やセット構成の候補
- 商品ページの構成と説明文
- 広告とSNSで試す切り口
- 販売チャネルを広げる順番
- 最初の30日で試す内容
- 続ける基準と、止める基準
候補が並べば、人間が選べます。
どの仮説を小さく試すか。
どこまで広告費を使うか。
何が起きたらページを直すか。
最終判断は人間に残します。
ひとりの事業でも、必要なときに専門部署を持てます
これまでは、新商品を一つ出すだけでも、多くの仕事を一人で抱えていました。
市場を調べる。
競合を調べる。
ターゲットを決める。
商品ページを書く。
広告を作る。
販売後の数字を見る。
商品が10個、20個と増えれば、そのたびに同じ調査が増えていきます。
AIエージェントチームを使うと、ひとりの事業でも、必要なときだけ調査部、企画部、販売部、広告部を立ち上げるような動きができます。
自分は、全部の作業を抱える人から、集まった情報を見て決める人へ移っていきます。
朝、複数の担当から市場、競合、購入者の声が届いている。
昼には、狙う候補と商品ページの構成が並ぶ。
自分は、何を試すか、何を採用しないかを決める。
こうなると、ひとりで事業をしていても、考えられる範囲が広がります。
一人で全部の専門家になる必要はありません。必要な専門性を、役割としてAIに持たせればいいんです。
レポートを増やすだけなら、仕事は進みません
ただし、AIチームを動かすこと自体が目的になると危険です。
市場調査のファイルが増える。
競合分析のファイルも増える。
新しいアイデアが何十個も出る。
読んでいる間は、かなり仕事をした気になります。
でも、商品ページも広告も変わっていなければ、事業は動いていません。
調査ファイルを集める人になってはいけません。
僕は、AIチームの納品後に、全体をもう一度確認します。
矛盾している提案を外す。
今は不要な分析を外す。
採用する仮説を決める。
そして、商品ページの修正、広告テスト、販売チャネルの追加など、実行するタスクへ変えます。
AIチームを頻繁に動かす必要もありません。
毎日のタスク整理なら、普通のAIチャットで十分です。
AIチームが向いているのは、新商品、自社ブランド商品の企画、新規事業、新しい販売戦略など、複数の専門視点が必要な仕事です。
自分の案を、一つのAIに磨いてもらう。
市場、競合、購入者の声を、複数の担当に調べてもらう。
集まった仮説を、人間が選び、実行タスクへ変える。
この順番なら、自分の勘だけで大きな仕入れや広告へ進む前に、確認できることが増えます。
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新商品を作る前に、自分の案をAIへ褒めてもらうだけで終わらせないでください。
その案を市場へ持ち出し、違う立場から調べ、反対意見まで集める。
そこで残った仮説を、小さく試す。
AIエージェントチームは、売れる正解を出す仕組みではありません。
自分一人の思い込みだけで商品を出さないために、調べる範囲と考える視点を増やす仕組みです。
ここまで準備してから市場へ出ると、売れたときも、売れなかったときも、次に何を直すかが見えやすくなります。