年間約1,000万円規模の計算のズレが見つかった。AIで数字を照合する意味

どうも、Kazuです。

先日、サポート中のある事業者から連絡が届きました。

AIで数字を分析する準備として、ECモールのデータをAPIでつないだ。

そこで数字を照合したところ、年間約1,000万円規模の計算のズレが見つかったそうです。

ここは正確に書いておきます。

1,000万円を失った、1,000万円を取り戻した、という話ではありません。

正しいと思っていた計算に大きなズレが見つかり、いまも元データと照らし合わせている段階です。

それでも、本人から出た言葉は重いものでした。

「間違えた数字のまま、すべて進めるところでした」

怖いのは、計算が一度ずれることだけではありません。

間違った数字を正しい前提として、次の判断を重ねてしまうことです。

数字を見ていても、計算の土台までは見ていない

売上表は毎月見ている。

広告費も確認している。

在庫数も管理している。

それでも、表示されている合計がどう作られたかまでは、毎回確かめていないことがあります。

集計期間は合っているか。

キャンセルや返品は、どの時点で引かれているか。

手数料や値引きは、税込みか税抜きか。

商品別の明細を足した数字と、管理画面の合計は一致しているか。

今回の事例で、どの項目が原因だったのかはまだ確認中です。

ただ、一般に数字のズレを確認するときは、こうした条件を一つずつ照合します。

数字を見ることと、その数字が正しいか確かめることは、別の仕事です。

間違った数字は、毎日の判断まで変えてしまう

利益が実際より多く見えていたら、広告費を増やす判断が変わります。

商品別の売上がずれていたら、追加で仕入れる商品が変わります。

在庫金額が合っていなければ、使える資金の見方も変わります。

一度の判断だけなら、まだ戻せるかもしれません。

でも、その数字を前提に毎週の発注、広告、採用、値下げを決めていたら、ズレは別の場所へ広がっていきます。

数字を放置する怖さは、見えていない損失だけではありません。間違った方向へ、自信を持って進めてしまうことです。

AIには、答えではなくズレの候補を出してもらう

AIへ数字を渡せば、すべて正しくなるわけではありません。

元データが間違っていれば、AIも間違った材料から考えます。

計算条件を伝えていなければ、それらしい前提を置いてしまうこともあります。

だから、AIに最終判断を丸投げしません。

AIの役割は、数字同士を比べ、合わない場所と追加で確認したい点を並べることです。

人が行うのは、元データへ戻り、その差が本当の異常なのか、集計条件の違いなのかを確かめることです。

次の2つの資料を照合してください。

資料A:管理画面から出した元データ
資料B:普段、経営判断に使っている集計表

次の5つに分けてください。
1. 合計が一致していない項目
2. 集計期間が違う可能性がある項目
3. 返品・キャンセル・手数料など、計算条件の確認が必要な項目
4. 元データへ戻って人が確認すべき項目
5. 現時点では判断できず、追加資料が必要な項目

数字を推測で補わないでください。
分からない場合は「確認が必要」と書いてください。

この聞き方なら、AIの役割と人の役割を分けられます。

AIに正解を決めてもらうのではなく、確認すべき場所を絞ってもらう。

これだけでも、数字が苦手な人の負担はかなり変わります。

AIを覚えることが、新しい仕事になっていないか

ここまで読むと、APIのつなぎ方やAIの分析方法を勉強しなければいけないと思うかもしれません。

自分で試したい人は、もちろん試して構いません。

ただ、すべての経営者や個人事業主が、AIの最新機能、質問文、分析ツール、パソコン操作まで覚える必要はありません。

それを覚えるだけで何日もかかり、本来直すべき事業の数字が放置されたら、順番が逆です。

目的は、AIに詳しくなることではありません。何が変わり、どこを確認し、次に何をするかを決めることです。

数字を提出する。

確認したい場所が整理されて返ってくる。

本人は内容を確認し、今週やることを選んで動く。

この役割分担なら、数字やAIが苦手でも、事業の改善を止めずに進められます。

数字を照合するときの5項目

いきなり事業全体を調べる必要はありません。

まず、普段もっとも重要だと思っているレポートを1つ選びます。

数字を照合する5項目

1. 元データ
その数字は、どの管理画面や資料から来たのか。

2. 集計期間
注文日、売上確定日、入金日のどれで集計しているのか。

3. 計算条件
返品、キャンセル、値引き、手数料、税をどう扱っているのか。

4. 合計と明細
明細を足した数字と、表示されている合計が一致するか。

5. 前回との連続性
前月や前年から急に変わった項目はないか。

この5項目を確認すると、計算式そのものだけでなく、集計の前提も見直せます。

一度合わせて終わりにしない

今月、数字が合っていても、来月も合うとは限りません。

管理画面の仕様が変わる。

集計表へ新しい列を足す。

返品や値引きの扱いが変わる。

担当者が変わり、入力方法が少し変わる。

小さな変更が積み重なると、数字はまたずれます。

そこで、毎月同じ形式で数字を残し、前回との変化を確認します。

変化があれば、すぐに施策を変えるのではなく、まず理由を確かめる。

確認した内容と判断理由も残しておけば、次の月に同じ問題が出たとき、ゼロから調べ直さずに済みます。

数字の管理は、月末に表を見ることではありません。変化、確認、判断をつなげて残すことです。

今日、確認するのは1つでいい

今日、事業でよく見ている数字を1つだけ選んでください。

売上でも、広告費でも、在庫金額でも構いません。

その数字の元データを開き、普段使っている集計表の合計と一致するかを確かめます。

合わなければ、すぐに原因を決めつけない。

期間が違うのか。

条件が違うのか。

明細が抜けているのか。

この順番で確認します。

数字が合っているか分からない。

どこを確認すればいいか分からない。

毎月、同じ表を眺めて終わっている。

そういう状態なら、まず見る場所を絞るところから始めてください。

数字の「変わった点」と「確認したい点」を毎月受け取る

AI月報では、毎月、あなたの数字の「変わった点」と「確認したい点」を整理してお届けします。

提出データが揃う事業には、週次のファクト便も用意します。

API連携や元データの修正を代行するサービスではありません。提出されたレポートを分析し、人が確認すべき場所を絞るサービスです。

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