どうも、Kazuです。
100通を超える書類から、氏名、日付、人員配置、契約期間のズレを探す。
一つずつ読むだけなら、時間をかければできます。
難しいのは、書類同士を横断して矛盾を見つけることです。
Aの書類では4月1日。
Bの書類では3月31日。
人員配置表には名前があるのに、別の書類では退職済み。
同じ会社名なのに、表記が少し違う。
画面を行ったり来たりしているうちに、何を確認したのか分からなくなります。
そこで、100通を超える書類をAIが読める状態にして、整合性チェックの候補出しを任せました。
起きたことは、派手な自動化ではありません。
人が100通すべてを同じ濃さで読む仕事から、AIが挙げた不一致候補を人が確認する仕事へ変わりました。
書類が増えると、確認する組み合わせが増える
書類業務が重くなる理由は、枚数だけではありません。
書類同士につながりがあるからです。
人の名前は、名簿、配置表、契約書、届出書に出てきます。
日付は、契約期間、資格の有効期限、入退社、提出期限とつながります。
会社名や住所は、複数の様式へ繰り返し記載されます。
書類が100通あっても、100回確認すれば終わるわけではありません。
同じ項目が別の書類にも出てくるため、確認する組み合わせが増えます。
しかも、人は内容を理解して読むほど、細かな表記揺れを見落とすことがあります。
意味が通っているので、脳が補ってしまうからです。
AIは疲れません。
ただし、何が正しいかを勝手に判断できるわけでもありません。
そこで、書類を渡す前の準備が必要になります。
先に「何を正しい情報とするか」を決める
AIへ100通渡して、「間違いを全部探してください」と頼むだけでは危険です。
書類Aと書類Bで日付が違っても、AIにはどちらが正しいか分かりません。
古い書類と新しい書類の区別がつかなければ、正しい情報を誤りとして扱う可能性もあります。
最初に、次の4つを決めます。
1. 基準にする資料
人員名簿、最新の契約一覧、資格台帳など、項目ごとに正本を決めます。
2. 書類の識別番号
「契約書A」ではなく、書類番号、作成日、対象期間が分かる名前にします。
3. 比較する項目
氏名、所属、開始日、終了日、資格期限など、見る場所を先に絞ります。
4. 判断できない場合の扱い
推測せず、「確認が必要」と出すルールにします。
これがないと、AIは不一致らしきものを並べても、現場で使える確認表にはなりません。
AIから返してもらうのは「不一致候補の台帳」
AIの回答は、文章ではなく表にします。
必要なのは、次の項目です。
・確認番号
・対象者または対象項目
・書類Aの記載
・書類Bの記載
・不一致の内容
・参照したページ
・重要度
・人が確認した結果
たとえば、次のように返します。
確認番号:017 対象項目:担当者の在籍状況 書類A:人員配置表 3ページ「在籍」 書類B:退職記録 1ページ「退職日 4月30日」 不一致候補:基準日以降も配置表に氏名が残っている可能性 重要度:高 人の確認:未確認
ここまで出ると、担当者は100通を最初から読み直すのではなく、確認番号ごとに該当ページを開けます。
読む量をゼロにするのではなく、読む場所を絞る。
これが、書類チェックでAIを使う現実的な形です。
人の出入りがあったとき、影響する書類を探せる
書類を横断して読める状態にすると、もう一つ変わることがあります。
人が退職したとき、どの書類に名前が残っているかを探せます。
新しい担当者が入ったときも、どの名簿、配置表、連絡網、届出に追記が必要か、候補を出せます。
変更が起きてから書類を探すのではなく、変更内容をAIへ見せて、影響範囲を先に確認するわけです。
ただし、ここでもAIの出力は候補です。
行政提出書類、契約、許認可、労務、税務などは、最終的に担当者や専門家が確認してください。
AIに責任を渡すのではなく、確認漏れを減らすために使います。
個人情報は、そのまま渡さない
書類をAIへ見せる場合は、内容より先に情報の扱いを決めます。
使うAIサービスの利用規約、保存設定、学習利用の設定、アクセス権を確認します。
分析に本名が不要なら、「顧客001」「担当者A」のような匿名番号へ置き換えます。
ここで大事なのは、氏名を消すだけではありません。
同じ人物を複数書類で追う必要がある場合は、同じ匿名番号を残します。
識別できる情報をすべて消すと、書類を横断した確認ができなくなるからです。
パスワード、カード情報、分析に不要な個人情報は入れません。
機密性の高い書類は、社内ルールや専門家の確認を受けてから扱います。
最初は、同じ種類の書類を5通だけ
いきなり100通を渡す必要はありません。
まずは、同じ種類の書類を5通用意します。
AIが正しく文字を読めるか。
表の項目を取り違えないか。
参照ページを正しく示せるか。
不一致がない箇所を、誤って問題扱いしないか。
少量で確認してから、20通、50通と増やします。
添付した書類を横断して確認してください。 比較する項目:氏名、所属、開始日、終了日、資格期限 基準資料:最新人員名簿 不一致候補を次の列で表にしてください。 確認番号/対象項目/書類名/ページ/記載内容/不一致理由/重要度 分からない場合は推測せず、「確認不能」と記載してください。 正誤を断定せず、人が確認する候補だけを出してください。
100通をAIへ渡したときに価値があったのは、100通を読まなくてよくなったことではありません。
確認する場所と順番が見えるようになったことです。
書類の山を前に手が止まっているなら、まず5通で確認表を作る。
そこから始めるだけでも、次に人が見るべき場所はかなり絞れます。
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